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最高裁判所第二小法廷 昭和26年(あ)2360号 決定 1952年7月12日

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人設楽敏男の上告趣意は、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。そして原判決が被告人の控訴趣意書に対する判断を遺脱していることは所論のとおりであるから訴訟法に違反していることは免れない。しかし原判決は弁護人の控訴趣意を判断するにあたり「記録を精査するも原審が判決に影響を及ぼす様な事実誤認をしたものと疑う様な点も認められない」と事実誤認のないことを判示し又量刑不当に非ざることをも判示しているのであって結局右の違法は判決に影響なきものと認められるから刑訴四一一条も本件には適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山 茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)

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